今年はブレグジットやアメリカ大統領選挙など、慌ただしい年になりました!そんな2016年の締めくくりに、12月4日イタリアで憲法改正国民投票があります。
選挙の前に、イタリアの政治についてざっくりですが調べてみました!
イタリアの政治

共和国大統領
国家元首のこと。任期7年。再選については規定がない。
イタリア議会の上下両院合同会議で、全議員と各州代表による間接投票で選出される。
現在は第12代、セルジョ・マッタレッラ(2015年2月3日就任)
大統領の主な権限
- 議会議員の選挙を公示し、その召集の日を定めること
- 政府提出の法律案の議会への提出を承認すること
- 法律を調査し、法律の定める命令および規則を制定すること
- 憲法の定めるところにより、国民投票を高じすること
- 法律の定めるところにより、国の官吏を任命すること
- 軍隊を指揮し、法律の定めるところにより設置される最高国防会議を主催すること
(憲法第87条に規定されているものから抜粋)
※象徴的な元首ではあるが、議会解散権・首相任命権・軍隊指揮権などを発動できる権限を持っている。
首相
正式名称は閣僚評議会議長。
大統領が指名し、議会が承認する。各省の大臣は、首相の指名に基づき、大統領が任命する。
現在はマッテオ・レンツィ(2014年2月22日就任)
行政は、首相を長とする内閣が統轄する。
首相の主な権限
- 閣僚名簿の提出(大統領が認証)
- 政策要綱の作成
- 大統領令への副署
※議会解散権はない(大統領のみ有する)

両院制
イタリア議会は二つの議院によって両院制が構成されている
共和国元老院
上院に相当する議院。任期5年の民選議員(315議席)と、終身議員(6名)、計321議席で構成。
元大統領は本人が拒絶しない限り終身議員となる。その他、科学や芸術などで国の名誉を高めた功労者の中から、大統領が指名した者が終身議員となる。
代議員
下院に相当する議院。任期5年。全630議席で、民選議員によって構成される。
※両院の機能は完全に対等で、両院とも内閣不信任決議権を持つとともに、大統領によって解散されうる。
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2016年12月4日 イタリア 憲法改正国民投票

改正ポイント
- 共和国元老院(上院)の議席数を、 321議席 → 100議席 へ
- 上院100議席を、選挙ではなく地方自治体の代表者らで構成する
- 改正後、法の審議や内閣の承認は下院のみが担う
↓ ↓ ↓ なぜなら ↓ ↓ ↓
両院が平等な権限をもっているため法改正に時間がかかり、政局が不安定になりがちだから。
上院の権限を大幅に縮小することで事実上の一院制になり、頻繁に政権が交代する政治制度を改める狙いがある。
もし否決されると・・・?
レンツィ首相が「否決されれば辞任する」と公言してきた事から、現政権への信任投票の意味合いが濃い。
仮に辞任したとすると、大統領が別の人物を首相に指名するか、議会を解散して総選挙になる。総選挙になるとすると、EU懐疑派の「五つ星運動」が勢いを増す可能性がある。
※五つ星は、単一通貨ユーロからの離脱を問う国民投票を求めてきた。もし五つ星がイタリアの第一党になれば、ギリシャ危機を上回る混乱になると見ている専門家もいるそう。そうなるとイギリスのブレグジットに続き、EU崩壊の危機を深める事になりかねない。
世論調査

当初は承認されると思っていたが、予想外の景気減速と、イギリスのEU離脱決定による衝撃で状況が変化。最近では改正反対派が優勢という調査もある。
日本時間の開票スケジュール
即日開票・過半数が賛成に達した場合に可決
日本時間の12月5日(月曜日)の朝7時には結果が出ている可能性が高い
1週間後に迫った国民投票ですが、調べてみるとこんなに重要な意味合いがあったなんて・・・と驚きました。
イギリスのEU離脱国民投票やアメリカ大統領選挙の時のように、世論調査と反対の結果になるのかも・・・?と言っている人もいますが、最後までわかりませんね!
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